こんにちは、ユキガオです。
私は以前、陶芸教室に通っていました。そこで、他の生徒さんと著名な陶芸家の作品集を見ながらこんな話をしました。
生徒さん「この作品、きっとフランス絵画の影響だね〜。こっちは彫刻作品から来てるかな」
私「え、そうなんですか!?色んなところからインスピレーションもらってるんですね」
生徒さん「そんなもんだよ!みんな何かを見てどこかで影響を受けてるから。どんどん色んなもの見た方がいいよ!」
私「オリジナルなんて存在しないってことですか?」
生徒さん「うん、ないね。でも、オリジナルを追求することは大事だよ!」
個性はこれまで見てきたものの積み重ね
生まれてこのかた、自分以外の人と会ったことがないとか外に出たことがないとか他人の創作物を見たことがないという人は、いないと思います。
そうやって生きてきた中で、色々な人や物を見て今の思想や個性が出来上がっています。人間の個性は、先天的なもの+後天的なもので出来る。
全く同じものを見て同じ人たちと生活してきた人なんていない。だから、自分自身が個性として成立する。
つまり、人は誰でも何かの影響を少なからず受けてるってことです。
だから、著名なアーティストだって売れっ子の作家さんだって、これまで出会ったものを昇華させて今の作品があるわけです。
決して「何もかもが模倣品だ!」って言いたいわけじゃない。色んなものに影響される中で、何に影響を受けてそれをどう噛み砕くかに個性が表れるんだと思うんです。
みんな真似することから始めている
趙孟頫(ちょうもうふ)という、中国の書の第一人者とも言われている歴史上の人物がいます。中国の美術史には欠かせない一人です。
その人は、さらに昔の書の達人(王羲之)の作風を学んだとされていますが、幅広く色々な古典を模写することで、自らの書法を確立したと言われています。
他にも美術史に出てくる過去の偉人たちは、やはり過去の名品と呼ばれるものを模倣し、そこから個性を確立したと言われている人が多いです。
陶芸の世界でも、有名な陶芸家の作品を写して作ることでスキルアップを図ることがあります。(やろうと思うと本当に難しい)
つまり、昔から真似することで個性を作り出すという方法があったってことです。
真似からオリジナルを生み出す方法
いいものを真似することで自分の個性を作る方法は、今の時代においても有効だと思うんです。
で、当たり前だけど真似ばっかりしててもダメ。
ブログでも陶芸でも絵画でも、自分の個性(オリジナル)を作ろうと思ったら、絶対に考えなくちゃいけないことがあります。それが「自分ならどうするだろう?」ってこと。
例えば誰かのブログを読んでいて、自分も同じように書いてみたとします。その時に、ちょっとした違和感が出てくると思うんです。
「自分ならこんな言い回ししないな〜」とか「もっとこうした方が読みやすそうだな〜」といった感じで。
何か作品を作る場合もそう。模写してみても、自分が「いい!」と思えるものにはならない。だからその作品から自分の「いい!」を引き出すためにどう変化させるかを考える。その繰り返しが、やがてオリジナルを生み出すんだと思うんです。
色んなものに触れて個性を追求しよう
人は、自分の中に「いい!」と感じるセンサーを持ってる。それは、これまで色々なものに触れて感じてきた中で作り上げられる。
そのセンサーこそが、個性なんじゃないかなと思っています。
だから、いい作品も悪い作品も食わず嫌いせずに触れた方がいいんです。世の中的に「いい」と言われていても、自分にはそうじゃないかもしれない。
逆に「悪い」とされているものの中に、何かピンとくるものがあるかもしれない。
そういう経験をいーっぱい積むことで、より感度の高いセンサーが出来上がって、オリジナルなものを作り出せる人になる。
そんな気がしています。それが自分なりのオリジナルを生み出す方法かな、と。
私自身も、もっともっとジャンルを問わず色んな作品(アートに限らず)に触れていきたいな。小説でも漫画でも写真でも自然でも、なんでも。
ユキガオ